「できれば、サッカーの練習を続けさせてあげたいんです」
先日、ともこ均整院に、サッカーを頑張っている男の子がお母さまと一緒に来院されました。
お母さまは以前から当院で施術を受けてくださっている方です。
お子さんは医療機関で「シーバー病」と診断されていました。
大好きなサッカーを続けさせてあげたい。でも、かかとの痛みも心配。
そんな親御さんの気持ちが伝わってきました。
私自身、看護師として働いていた頃は整形外科に深く関わる機会が少なく、シーバー病について詳しい知識があったわけではありません。
だからこそ、医療機関での診断を尊重しながら、身体均整師として何を観察できるのかを考えました。
シーバー病とは?成長期に起こるかかとの痛み
シーバー病は「踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)」とも呼ばれ、成長期の子どもに見られるかかとの障害です。
サッカーやバスケットボールなど、走ったり跳んだりする動作を繰り返すスポーツで起こることがあります。
成長途中のかかとの骨には、まだ発達段階にある部分があります。そこに繰り返し負荷が加わることが、痛みの発生に関係すると考えられています。
運動量の調整や休養が必要になることもあり、練習を続けてよいかどうかは医師と相談することが大切です。
身体均整法は、この病気そのものを治療するものではありません。
当院では、医療機関での対応とは役割を分け、身体の動きや使い方を観察しています。
身体均整法の基本は「観察→設計→調整→確認」
身体均整法では、施術を進める際に大切にしている流れがあります。
観察 → 設計 → 調整 → 確認
まず身体の状態を観察し、どのように働きかけるかを考え、調整を行い、その後の変化を確認する。
そして必要に応じて、もう一度観察に戻ります。
仕事などで使われるPDCAサイクルにも似ていますね。
最初から決めた方法を一方的に行うのではなく、そのときの身体の反応を確かめながら進めていく。
これは、身体均整法の大切な考え方のひとつです。
痛いところだけを見ない。まずは全身を観察する
今回も、最初に行ったのは身体の観察です。
かかとが痛いからといって、かかとだけを見て終わりにはしません。
まず本人に痛みの場所を教えてもらい、どのような動きで痛みを感じるのか、どのような姿勢では痛みが少ないのかを確認しました。
そして、左右の足の違い、足首の動き、膝の向き、骨盤の位置や動き、上半身の状態などを順番に見ていきます。
身体は、それぞれの部分が独立して動いているわけではありません。
立つ、歩く、走るといった動作では、足首や膝、股関節、体幹などが協調して働いています。
ただし、左右差や姿勢の特徴があるからといって、それが痛みの原因とは限りません。
大切なのは、その子自身の身体が今どのように動いているのかを知ることです。
かかとの小さな骨の動きにも目を向ける
足は、たくさんの骨が組み合わさってできています。
かかとの骨である「踵骨(しょうこつ)」。
足首の動きに関わる「距骨(きょこつ)」。
足の外側にある「立方骨(りっぽうこつ)」。
そして、足の甲から指の付け根へとつながる「中足骨(ちゅうそくこつ)」などです。
今回の観察では、踵骨周辺の動きがやや鈍いように感じられました。
そこで、痛みを無理に我慢させることなく、足部の動きを確認しながら穏やかな調整を行いました。
小さな骨の位置関係や動きにも目を向けることは、身体均整法で私たちが大切にしている視点です。
ただし、こうした観察から、シーバー病の原因を特定できるわけではありません。また、骨の動きを調整することでシーバー病が治ると確認されているわけでもありません。

膝、骨盤、そして背中へ
足部の調整だけでなく、膝の向きや骨盤の状態も確認しました。
さらに、足首を動かしたときに、身体のほかの部分にどのような反応が見られるかも観察しました。
身体均整法には、離れた部位同士の動きや反応を関連づけて観察する「相関関係」という考え方があります。
今回、私が注目したのは胸椎11番付近でした。
胸椎とは、背骨のうち胸の高さにある12個の骨のことです。
足首の動きを確認する過程で、この付近にも反応が見られるように感じたため、状態を確かめながら調整を加えました。
これは施術者としての観察に基づく判断であり、胸椎11番がシーバー病に直接関係するという医学的な意味ではありません。
身体均整法では、こうした身体全体のつながりを考えながら、施術を組み立てていきます。
子どもの施術は、短時間で反応を確かめながら
当院では、お子さんの施術は長時間行わず、30分以内を目安にしています。
成長途中の身体に対して、強い刺激を加えたり、痛みを我慢させたりすることは避けています。
今回も施術の途中で何度か、本人に痛みの感じ方を確認しました。
「さっきと比べてどう?」
「この動きはどうかな?」
本人の言葉を聞きながら、調整と確認を繰り返しました。
施術の終わりには、本人から、最初に感じていた痛みが3割程度になったという申告がありました。
そこで、最後に腓骨の調整をして仕上げ!
ジャンプもしてもらって、痛みがないかの確認も最終的に行いました。
ただし、これはその場での本人の感覚です。
シーバー病そのものの状態が改善したことや、その後も痛みが少ない状態が続くことを示すものではありません。
また、痛みが一時的に少なくなっても、サッカーの練習を再開してよいという判断にはつながりません。
好きなスポーツを長く楽しむために
子どもにとって、大好きなスポーツを休むことは簡単ではありません。
見守る親御さんも、できることなら練習を続けさせてあげたいと思うでしょう。
その気持ちは、とてもよくわかります。
一方で、成長期の身体には、必要な休養を取ることも大切です。
痛みがあるときは無理に練習を続けず、運動量や復帰の時期について医師に相談してください。
身体均整法では、病名だけで身体を判断するのではなく、その人の姿勢、動き方、左右の違い、身体全体の状態に目を向けます。
観察し、考え、調整し、もう一度確認する。
今回のサッカー少年との時間も、身体均整法の基本をあらためて大切に感じる機会となりました。
ともこ均整院では、横浜市都筑区・仲町台で、一人ひとりの身体の状態や動き方を丁寧に観察することを大切にしています。
身体の使い方や姿勢について気になることがありましたら、ご相談ください。
※本記事は一例の施術経過を紹介するものです。身体均整法による疾病の治療効果を示すものではありません。医療機関での診断・治療や運動制限の指示を優先してください。
