30歳、初産の女性の施術例です。
2026年6月末に女の子を出産され、産後「歩くと腰が痛い」「仰向けで寝ると仙骨が痛い」というお悩みがあり、8月7日に来店されました。
O脚も気になっていたため、ホームページで当店を検索してくださったそうです。
■産前からあった婦人科系のお悩み
施術申込書アンケートには書かれていませんでしたが、詳しくお話を伺うと、子宮腺筋症とチョコレート嚢胞があり、ピルで月経を調整していたとのことでした。
生理痛で悩むようになったのは20歳を過ぎた頃から。24~25歳頃からピルを服用していたそうです。
産後の身体をみるときは、出産後の経過だけでなく、産前からどのような身体の状態だったのかを伺うことも大切です。

■仰向けがつらいため、うつ伏せから施術
初回は仙骨に痛みがあり、仰向けで寝ることがつらい状態でした。そのため、まずはうつ伏せから仙骨をみていきました。
仙骨のカーブが急で、腰椎4番・5番付近がへこんでいます。骨盤も前傾しすぎているようにみえました。
最初に行ったのは、仙骨周辺の過敏さを落ち着かせる施術です。
その後、仰向けになれるようになったため、仰向けで腹部を確認しました。
■腹部にポコッとしたふくらみと硬さ
仰向けでみると、腹部がポコッと膨らんでいました。触れてみると硬さがあり、産後1か月半が経過していましたが、子宮底がまだ胃の下辺りにあるような印象を受けました。
ただし、外からの触診だけで、それが子宮であると断定することはできません。
子宮腺筋症の既往もあることから、産後の回復過程に加えて、腹部や骨盤内の硬さが残っている可能性を考えました。
そして、その硬さによって腰椎4番・5番付近が前方へ引っ張られ、腰や仙骨に負担がかかっているようにみえました。

■身体が緩みやすい角度を探す
下肢を、腹部の硬さが緩みやすい角度にもっていきました。
身体均整法では、この身体がくつろぎやすい角度を「くつろぎ傾斜」といいます。
その角度を利用しながら腹部と骨盤周辺を調整すると、少しずつポコッとしたふくらみが落ち着き、触れたときの硬さも和らいできました。
それに伴い、腰椎4番・5番付近の突っ張りも落ち着いてきました。
帰る頃には腰のつらさも軽くなり、楽に歩いて帰っていただくことができました。
まだ症状が強い時期だったため、1週間後にもう一度来ていただくことにしました。
■「歩くのが本当に楽になりました」
1週間後の8月14日、2回目の来店です。
ご本人からは、
「まさか、子宮の状態が腰に影響しているなんて思ってもいませんでした。歩くのが本当に楽になり、仰向けでも寝られるようになってきました」
とのお話がありました。
まだ寝るときには痛みが残っているものの、今回は最初から仰向けになることができました。
■緩んだからこそ分かった左側の特徴
今回は仰向けから施術を始めました。
初回の強い緊張が少し緩んできたことで、前回は気づかなかった部分が分かるようになりました。
左右を比べると、左の股関節が付け根から動きにくく、特に内旋・外旋の動きが小さくなっています。
「左側の股関節が動きにくいですね」と、ご本人にも実際に左右差を確認していただきました。
股関節の動きには、恥骨筋、腸腰筋、内転筋群、殿筋群、梨状筋や閉鎖筋などが関わります。また、骨盤内臓を下から支える骨盤底筋群も、骨盤や股関節の動きと無関係ではありません。
左側の動きにくさを調べていくと、左の仙骨3番・4番付近に厚みがありました。その部分を調整し、さらに胸椎11番と腰椎4番の左側にも平衡性を欠くところがあったため、身体均整法でいう「F9」を使って調整しました。

■2回目は左右差を整えることが目的
初回は、仙骨の過敏さや腹部の硬さを落ち着かせることが中心でした。
2回目は、身体が緩んだからこそ左側に特徴があることが分かり、左右差を整えることを目的に施術を行いました。
また、今回のお話の中で、まだ悪露が続いていることも分かりました。腹部に感じられた位置は初回より下がっている印象でしたが、産後の身体はまだ回復の途中です。
施術で身体のバランスを整えることと、産婦人科で産後の経過を確認することは別です。悪露が長引く、出血が増える、発熱や腹痛がある、悪露のにおいが気になるといった場合には、早めに産婦人科へ相談することも大切です。
次回は2週間後。
歩くときや寝るときの痛み、左股関節の動き、腹部や骨盤周辺の状態がどのように変化するかをみていくことにしました。
産後の腰痛や仙骨の痛みも、腰だけをみていては分からないことがあります。
腹部、骨盤、仙骨、股関節――。
身体全体のつながりをみながら、その時の身体が最もくつろげる方向を探していくことが大切です。
※掲載している内容は一例であり、施術による変化には個人差があります。身体均整法は医療行為ではありません。産後の出血や発熱、強い腹痛などがある場合は、医療機関へご相談ください。
